公園にて/さいらと
 


息も切れ切れに

そっと掌を差しだし

「ほらみて」とわたしの子どもが言う。


わたしは頭の中で

おそろしく黒い色をした

もやもやを忘れ去って

笑いかける。


そうだ。

わたしは母になったのだ。

もう悲しいことを考えてはいけない。

雨の日も風の日も

この子と共にいなければならない。


頭の中が

ぼんやりと白い色をした

もやもやで満たされて

わたしはやっと

子どもに喋りかける

ことができる。








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