夜の子供たち/atsuchan69
のでイッたことなんてないわ」
本当だろうか? 理沙を抱いて果てるとき、僕はいつも思うことがある。それは彼女には、僕よりもずっと奥深いよろこびがあるだという実感・・・・。理沙の背後から、何かが高波のようにおしよせて来、すると彼女は常識や理屈が成り立たない嵐の海にあっという間にさらわれてしまうのだ。眼の前にいるのは、別の誰かとしか思えないその表情やしぐさ。狂った海に僕さえも呑まれてしまう。
「理沙にはカズちゃんしかいないよ。カズちゃんしか感じないしカズちゃんとしかエッチな気分になれないもの」
「ああ」僕はふたたび壁を向いた。僕の未来、僕の人生が彼女によって閉ざされてゆくのを感じながら・・・・。
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