日曜日の公園で/ねなぎ
たのは
誰だっただろう
僕は知っている
自分の心の奥底に
触れてはいけないのを
知っている
公園は何時だって
日曜日なのに
誰だって
封鎖された工場で
いつかの様に
笑うように
会えたのは
どの位ぶりだろう
視線がある様に
思えた
蔦の中で
潜める様に
忘れ去られる様に
あの子が工場の中に
入る時は
何かが嫌な事が
あった時だと
知っていた
僕は喋る事も
出来ずに
一人の言葉を
聞いているだけ
ブランコは
揺れる事も無い
そして
動く事も無い
そして
又
あの時と同じ様に
あの子は
行ってしまった
僕は知っている
ずっと
出られない事を
覚えている
そして
僕は隠される
僕は待っている
ブランコの向こうの
フェンスの隙間から
日曜日の公園で
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