遠くの空は明るい/プル式
前を歩く君に声が掛けられない
あと半歩踏み出したなら
君に並んで歩く事も
出来るだろうに
そんな想いを続けて
君の少し後ろを追いかける
届かない想い
届かない声
少しうつむきながら
鼻歌を歌うように
何かに囚われている君は
私だけ知っている君の想いは
どうして君は私に話したの
君の想いなんて聞きたくないのに
君の想いばかりが溢れて
私の想いは飲み込まれ
川辺の砂や石や草や泥や
忘れられたごみに埋もれて
だれも振り返らなくなった
小さな磁気テープから
かすれた小さな声が聞こえる
途切れ途切れの
ノイズだらけで
口ずさむ様につぶやく
声だけが
私の想いを
知っている
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