遠くの空は明るい/プル式
 
前を歩く君に声が掛けられない
あと半歩踏み出したなら
君に並んで歩く事も
出来るだろうに

そんな想いを続けて
君の少し後ろを追いかける
届かない想い
届かない声

少しうつむきながら
鼻歌を歌うように
何かに囚われている君は
私だけ知っている君の想いは

どうして君は私に話したの
君の想いなんて聞きたくないのに
君の想いばかりが溢れて
私の想いは飲み込まれ

川辺の砂や石や草や泥や
忘れられたごみに埋もれて
だれも振り返らなくなった
小さな磁気テープから
かすれた小さな声が聞こえる

途切れ途切れの
ノイズだらけで
口ずさむ様につぶやく
声だけが
私の想いを
知っている
戻る   Point(5)