夜 晩夏/
武富諒太
欠けていく
月のもとで
君と愛し合う
風に呼ばれ
二匹の猫と戯れて
君を味わう
曼珠沙華の色と
虫の音が
君を満たしている
少し
湿った空気が
君と共にある
この世界に
生まれて
君を愛さないという法はない
水たまりや
人気のないビルに
君は溢れている
ヒトは
夢の中で
君を思う
僕は
下弦の月のもと
君と愛し合う
やがて
朝日がめぐるまで
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