プールサイドにて/三州生桑
んだ。
そして私は、そのチャーミングな監視員と話しをする。
バイトなんですか?
日に焼けちゃふね。
やっぱり救命法のレクチャーを受けるの?
事故が無ければいいですねぇ・・・。
ふと、隣のプールを見ると、少女が水面から目だけを出して、じっとこちらを窺ってゐた。
それから、三十分くらゐのんびりと泳いだ。
両肩が赤くなってきてゐる。そろそろ出た方がいいだらう。
あの監視員と話しができたのはラッキーだった。
次に来た時は、もう少し長く話せるか知ら?
あの少女のおかげだ。何がきっかけになるか分からないものだ・・・。
ぼんやりとプールサイドを歩いてゐると、いきなり水をパシャッとかけられた。
さっきの少女だった。
少女は、既に泳ぎ出してゐて、どんどん私から遠ざかってゆく。
恋の醍醐味は、一目惚れと嫉妬にあるのかも知れない。
そんなことを考へながら、私はシャワーを浴びに行った。
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