海を知るか/たりぽん(大理 奔)
 

街灯もまばらな国道を洗う
激しい波飛沫をくぐり抜け
帰り着いた先に待っていたのは



いつの日からか
海はいつでも胸の中にあって
そして、いつまでも視界の外にあって
ゆっくりと、荒々しく
優しく、そしてそれに恐怖しながら
まだ生まれていないかのように
身を任せてしまうのです

ああ、それはどんなにか
どんなにか残酷なことなのでしょう
胸の中の海を知り
自分の外の海を知り
恐ろしく世界は優しく深いのだと
波はどこまでも冷たいのだと



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