風土/「ま」の字
 
不居の人の記憶でしかない (わたくし 吸気は冷たく
走ってもはしっても
ただ
青のいめえじは視野に光り
はあぷの音 太く落ちる 
入り江の
曲線のようなしずけさに
世界は這い覆う

 灰いろ
 かタスかシ
 シタタカなる なるしすカタるシス

 るな、
 るな、
 それを如何せん
 峻厳な ル
 海
 うすあお
 い 山脈 と
 晩い陽
 錆び滅び
 そら

 (透去!

 わレは
 騙られタるなるしす
 甘たるい 記憶のゆうぐれ春の
 大地に
 冷え去られ タル
 死
 体、

だりや ひやしんす まりごう
沈める花束 の 壮
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