カーテンの向こう/ブルース瀬戸内
 
じられる現在を

何か他のものに求めているのかもしれません。


カーテンが消える頃にあなたと待ち合わせして

時々、すべてを透徹した言葉を放つあなたの向こうにある星が
なんだか輪郭まで見せてくれそうで

そんなことも
再加熱した切なさにはもうなくて
それを志に転化して、いや昇華して
向こうに放とうとしているのかもしれません。


こどもがみたしんじつは
ほんとうはむいしきかにもぐって
大人はそれをもう一度見たいから
ああでもこうでもないと
昨日から明日へ模索しています。


再加熱された論理の中に
探しているものはありませんでした。


ぼやけた現在をクリアにするために
じきに現在になる明日に
志を放って、だからその向こうに
夕焼けよりももっと向こうに
現在があるのかもしれません。


カーテンに気の利いたグラデーションがかかっているのは
論理の外側が透けているからかもしれません。
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