訂正と放熱のあいだ /山内緋呂子
ていたので、ポコポコ食べていたら、添えられたキャベツの千切りだけが残った。
「あ、君、キャベツ盛り頼んだの?」
頼んでない。
はーうぃ。おなかいっぱいのはーうぃ。どんどん食べて、私の相撲取りになって。「おふとりやま」「まんごすちんおやかた」だ。小結も関脇も飛び越えて来い。精進しろ。精進料理食っても太れ。
彼は帰り道、ゾロ目のスーツを買ってくれると言ったけど、ほんとうに好きな人には、何も買ってもらえないなぁ、など考えた。
コンビニに立ち寄って、ビニ本「お湯と天ぷら」を買った。
私のほんとうに好きな人が昔、よく買っていた本だ。
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