夏夜の夢/海月
詩
に
変
わ
るーるを無視して
昼間と夜を逆転させて
二人で生活してら
誰も邪魔はしないはず
残業をして満員電車に乗り込み
自分の席を確保する
哀しき現代人
網棚の週刊誌
床のペットボトル
隣の人の音漏れヘッドホォン
仮眠をするには抵抗がある
何にもない午前三時に
私は君を連れて行く
半分に欠けた
月の船に跨ぎ
君の家の屋上を旋回する
暗闇の海を照らすのは
瞬く星の灯台の明かり
娘の寝顔を見て
カレーを食べて
ビールを飲んで
愚痴を零して
眠りにつく
浪人生は夏の暑さに負けず
受験勉強を続けて
睡眠時間を削る
そんな人々の上空を飛ぶ
私は君の家まで
夏夜(なつよ)の夢
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