雪だるま/虹波
方を追いかけていた
昨日も実は雪が積もり
止んだ後は父と早速雪だるまを作った
それはまだ崩されることなく白塵に晒されていた
その雪だるまが
なんだか寂しそうに
こちらを見ていた
いや
見ている気がした
寂しそうに感じたのは
口の役目をしていた筈の小枝が無くなっているのと
目の役目をしていた筈の小石が右側だけ取れているのが
原因だったのかも知れない
僕はそう思うなり
裸足で雪の絨毯に駆け出して
絨毯を裂いては小枝と小石を探し出し
すさかず雪だるまの顔を凛々しく整形した
急いで縁側に戻り
赤く熟れた足の裏を小さな手で温めながら
ずっとその雪だる
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