いかだをつくる勇気もない青少年Mのぼんやりとした主張/土田
朔太郎のまねごとばかりで
うんざりしていたんだ
でもとってもこわいよ
うしろめたさと
ないものをあると信じていたんだから
11
数え間違えて
何も浮かばなかったてのはなし?
12
仮想世界では
ぶたがひとになれる
でもぶたになれたひとをぼくはひとりも知らない
つまりは氾濫と反乱のいたちごっこだってこと
13
知らないままのほうがいい
花に名前をつけたときから
たぶんきっとあやふやに世界は終わりを迎えたんだ
14
ある日
埋めたはずの骨壷のなかから
父の首、ねりょりと
母のちぶさ、びゅるりと
いつかぼくたちもそうなりたいねって
きのう四
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)