電車の中でも暑さは変わらない/海月
 
 仕事を終え会社を出ると、今まで涼しいエアコンの効いたオフィスに居たためなのか、外の温度が異常なほどに暑く感じる。こんな日はビールでも飲むに限ると、同僚は何人かを誘い飲み屋に行った。僕にも誘いが来たけど、上司の叱責と後輩の態度に頭を悩まし、とても飲める気持ちではなかった。
 会社から駅までの数分間の時間は、この上ない辛さを味わいながら、一歩一歩足を進めていきます。軟弱な体に刺さる陽射しはスズメバチの様な針で、僕の全身を刺していきます。その度に、汗を垂れ流してハンカチで拭い取ります。この時の心境を例えるのなら、
砂漠の中を放浪する旅人ですかね。オアシスから次のオアシスへと行く感じです。会社という
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