夜行性患者の夢の断片/チェザーレ
夜は世界の焼け野原
焦げついた空の
薄靄を漂う光
巨人の左目は瞬き
夜は断続的に失われゆく時
浮かび上がる真夜中の刻印
世界の黄昏を導き
枯れ草の下でくすぶる業火と
責めたてる波の音に引きずられた太陽は
深海で永い夢をみる
今日もまたどこかの洞窟の
あの人の苦しみに
世界が身を捩る
悲しみが絡みつく
青ざめる夜の涙
夜
世界は今、焼け尽くされ
静かな時の灰を抱え
明日を見つめている
隻眼の巨人が瞬き
時は断続的な
しかし時は永続的に
失われゆく
夢
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