桜咲く前/蒼依
 

ずっと前から知っていたね このときが来ること
近づくたびにみんな 知らないふりをした
放課後を知らせる音 オレンジの空の下
アルバムにしまいきれない あたしたちが歩いている
それぞれのレールが目の前にあって 
どんどん離れていくけど 振り返るたびにいつでも
みんなの笑顔が見える

惜しむように何度も 振り返りながら
振った手をおろす 涙は止まらないけど
一人で歩いていく道 アスファルトの影
この先に続く道にはもう みんなはいない
何も見えない未来が目の前にあって
足が止まりそうになるけど 目をつぶればすぐに
みんなの声が聴こえる

桜咲く前の並木道 みんなの影が重なる
何度桜が咲いて散っても
かわらないものがここにある


戻る   Point(4)