青空の歌/明日殻笑子
 

きみのいた夏を終わらせたのだろう
ぼくはわかろうと思う
夕暮れに焼けついた影おくり

だから 走る はしる 風の色を見る
ぼくを見るかなしそうなきみの飼い犬
走る つまづく 転んでも息がきれても
差し出されぬ腕にはじめて涙こぼれた

ねえいまも
朝は急行に詰めこまれるし
五段もとべなくてからかわれるし
赤さびを口ずさむ日々だけれど
季節は何も言わず通りすぎて行く
ぼくもかわろうと思う
夜明けをまぶしく感じられるこの心

ねえ
どこか高い所から
描かれるこの景色をきみも見ているの
振り返る度にいつも見上げては
あの日のように笑いとばして歌う青空の歌
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