飲んでしまった日から、後悔して。/夕凪ここあ
 
かの夢で目が覚めて泣いてしまう

大丈夫、と声をかけてくれる
隣のベッドの人もきっと何か辛いことを抱えてる人だった


ぼんやりとした頭のまま
最初の電話で約束した 変わるから という言葉を
心で繰り返して生きてきた

何週間が過ぎた頃、無理をして笑顔を作っていた頃
先生、もう大丈夫ですから。
と、きっと嘘ではなかったし、
少しの嘘もきっとあったけれども、病院を後にした。


どんなことがあったって生きていけることを知った私。
少しの嘘をつくことを学んだ私。
それでも心に嘘をつき続けることは出来ないと知った私。
あなたに全てを話すことが出来た私。
そして、あなたの一番そばにいられる、私。

もう呼吸がうまく出来なくなることなんてないし、
線路で立ち止まったりなんかしないし、

家に置いてある薬だってちゃんと分量通りに飲める、私。
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