鉄筋コンクリートの解体風景の前に/バンブーブンバ
 
あげる。
30年。
いちど劣化しはじめると補修は効かない。解体しか、ないのだという。
解体と一口にいっても、鉄筋とコンクリートの分別は50年先でも不可能な一事業のようだから、
科学者たちはまたも呼ばれて、日夜奮闘を今でも続けている。
絶望的認識のもとでリサイクルの研究を命ぜられ、かたやユンボーの歯先だけが磨かれているだけなのだけれど。
離婚。
犬も食わないということなのだろうか。
だた、それにしても、仮囲いから眺める解体風景は美しい。
なんといっても引き裂かれるこの擬音というのは、
鼓膜に質量の計測を訴えかけてくる。とても、重たい。
破片をひらう。
結構しっかりしている。錆はコンクリートにその手をのばす。
海浜へ埋められる。のか。
また、その上に、鉄筋コンクリートがたつ。
解体される。うん。
よくある話だ。
破片を落とす。
いつのまにか手のひらは切れている。血が出ていても、痛くもかゆくもないけれど。
現場監督は安全帯にヘルメット。あぁ、


おつかれさまです。





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