浜辺    (別れ話)/水在らあらあ
 
として見てくれ誰か さあ、

            ――赤いブーツで砂を蹴って

 赤ん坊のキリストと
 母親のマリアと三人の賢者を砂で作ってるおっさんに
 五十セント投げたのは それは、

            ――真っ赤なフェルトのコート引きずって

 それは、

            ――ビイル瓶をかかとで叩き割って

 それは、

            ――叫び声をかもめにさらわれても

 それは、
 君のことが、

            ――ここでただ一人海を見ていない君が

 君のことが、

            ――好きなんだ

 君のことが、
 打ち上げられた哺乳類みたく無惨な、
 君のことが、

            ――大好きなんだ

 大好きなんだ





 大好きなんだ

            ――君のことが  






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