夜色をした猫と眠る少女の/
夕凪ここあ
は軽やかに体をせかいに忍ばせて、
あの鳥の戯れの方へと行ってしまった
少女は
もうその先を追いかけることなく
猫が通れる分だけせかいとの繋がりを残して
ひとつ、目を閉じた
見ようとしなかったその間に
今日という日に取り残されて、昨日の残り香に触れてしまった
ことを知らない少女が寝ている隙に
戻って来た夜色の猫が
病的な少女の青白い首筋を
小さな舌先でおいしそうに舐めるものだから、
戻る
編
削
Point
(6)