再確認の瞬間/vi
を見て欲情してしまっていた
彼のため息でハッと我に返る
自分が嫌になるため息を彼女は吐いた
そして気が付く
雨はからりと止んだ
ゆっくり待合所から出るふたり
彼女が沈黙から脱出する
「止んだら何を言うつもりだったの?」
彼は戸惑う
「言えない、言えなくなった」
暫く彼を見つめた彼女はくるりと背中を向き
「そっか」
そしてふたりは自然に手を差し出す
繋ぐ手
「濡れちゃったね」
「そだね」
「仕切り直しするか」
「そだね」
そしてふたりは自然に口にする
「好きだよ」
「好きよ」
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