平準化する世界に対抗するために ??池袋ぽえむぱろうる閉店に寄せて/岡部淳太郎
る。いつもぱろうるに来ると客の数は多くて三、四人だったのだが、この日は十人以上の客が狭い店内をうろうろしていた。二桁の客がぱろうる店内にいる光景というのは初めて見た。やっぱりみんな閉店を惜しんでいるのだなと思い、ほんの少し感傷的な気分になったりもした。僕は神奈川県内に住んでいて、東京都内に出て来る時は小田急線一本で行くので、ここ数年は面倒な気持ちも手伝って詩集を買うにしても新宿の紀伊國屋書店で済ませたりしていた。まさかぱろうるが閉店するなどとは夢にも思っていなかったので、いざという時はぱろうるがあるからいいやみたいな気楽な気持ちで構えていた。それが本当にぱろうるがなくなってしまうとは。こんなことな
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