ターラン王の光の剣/yuma
 
ば行けない法則があるのかもしれない。
お姉さんは俺の持ち上げたガキを指差したんだ。
本当にびっくりだね。
これで見事、映画どおりの小さな勇者様の出来上がり。
小さな勇者様の持つ光の剣が輝いた。
さよなら。ホーンド・キング。


3.
そんなわけで結局俺はメダルを貰うことは出来なかった。
しかも、もう一つ欲しかったのに手に入れられなかったものがある。
シンデレラ城から出たあと、そのガキと母親が俺に礼を言いに来たんだ。
俺の立場はむしろ非礼を詫びる側な気がしてたから、礼を言われて居心地が悪かった。
(だって、いきなり自分の子供が知らない男に持ち上げられたら普通は怒るよな。)
そんな俺の心地を察しているのかいないのか
彼女はよかったね。と笑って勇者様に顔を近づけた。

なぁ皆。どう思うョ。
確かに俺は勇者様になれなかったし
記念のメダルも彼女に渡してあげることができなかったけどさ。
このキスだけは俺にくれるべきだったんじゃないかな。



光の剣とホーンド・キングは「コルドロン」という映画からの出展。
主人公の名前はターラン。

[グループ]
戻る   Point(5)