るーぷする。/
夕凪ここあ
すっと風が 私を拭って行っても それは
さっき私が吐いたただの呼吸音
手放したものは結局もとに戻る
夜が私の体に還ってしまうせいで一向に、
あぁ、指先を伸ばしてみても
爪を噛む癖がいつまでもなおらない私の短い爪の先は
夢、という文字の在処にすら届かない
欠けてしまった月を見て
兎はどこに消えてしまったの
と聞かれても満ち欠けの正しい読み方も知らない私は
もう、兎の居場所を答えることが出来る
簡単に
戻る
編
削
Point
(8)