桜貝/
石川あんこ
天空から黄金比を描く時折酷な、寒風
桜貝が冷気を湛えた重厚な敷物に変化する過程、断続
滑らかな覆面を深く突刺し三次元に伸びる触手の、根幹
それは桜貝が化粧した大きな冷保存の砂糖菓子、結晶
何万年前の流星群の屍骸が鈍く生息する一瞬の、永遠
磨りガラスの溶解を待機する細長き反射の底では微かな、生命
ある雪国の心象風景です。
戻る
編
削
Point
(4)