四月の恋/
do_pi_can
樹液であったか
あなたの白磁の指先は
四月の風の黄砂に紛れて
鼻腔に忍び込むのだ
だから
あなたの肌の温もりが
触れたそこから
皮膚は波打つ
毛細血管に
タラップが降ろされ
血流は既に
情熱のロンドを奏でている
騙され泣き崩れる
嗅覚を尻目に
あなたの指先は
交感神経を絡め取りに向かう
私は
そのまま
四月の風に
つながれいて
この空に
あなたの眼差しを
感じていよう
そのように
四月の恋が終わるのを
待つのだ
戻る
編
削
Point
(1)