コンビニと交通整理とやのあきこ(敬称略)の午後/はなびーる
下手くそな交通整理の
手旗信号に舌打ちしながら
いずれ大型スーパーが出来るという
埃だらけの街を走る
再開発で軒並み農地は
重機で掘り起こされ宅地になり
いち早く陣地を占めた
コンビニ銀座が並ぶ田舎道
砕け散ったクリスタルを
繋ぎとめるようなやのあきこ(敬称略)の
歌声はすこしミスマッチ、で
変わりゆく街のもの凄い速度に
ミスマッチな鼓動は急きたてられ
息苦しさを誘い
当分薬とは縁が切れないな、と
苦笑いがこぼれる
あのひとの罪はぼくの罪だと
思いつめ眺めた記憶の骨が
解放されてゆくのは
ある意味安堵するのだけど
新しいビルの前にはどんな建物があった
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