コーヒーココア/まきび
たかった女がいるんだ
私という女
一重で声は低くて
足は大きくて横幅も広い
それでもいつか
きれいな女になれるとおもっていたけど
わざとマグカップを揺らしてみる
きれいな女のきれいなページに
茶色いコーヒーココアが数滴
重たそうな音を立ててこぼれた
へっへっへ
雑誌をそっと閉じて
ベッドの脇机に置く
乾いたらぱりぱりになって
もう開(ひら)けないだろうけど
Tシャツとジーンズに着替える
春の陽気はそろそろ本格的なのに
わたし
なんで暗い色の冬服ばかり見てたんだろう
明るい色が似合うといってくれた人のところへ
遊びに行こう
戻る 編 削 Point(3)