コーヒーココア/まきび
 
たかった女がいるんだ
私という女

一重で声は低くて
足は大きくて横幅も広い
それでもいつか
きれいな女になれるとおもっていたけど

わざとマグカップを揺らしてみる
きれいな女のきれいなページに
茶色いコーヒーココアが数滴
重たそうな音を立ててこぼれた

へっへっへ
雑誌をそっと閉じて
ベッドの脇机に置く
乾いたらぱりぱりになって
もう開(ひら)けないだろうけど

Tシャツとジーンズに着替える
春の陽気はそろそろ本格的なのに
わたし
なんで暗い色の冬服ばかり見てたんだろう

明るい色が似合うといってくれた人のところへ
遊びに行こう


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