終着、そこからの/望月 ゆき
 
れからもずっとつづいていくのだと
あの日のわたしが
どうして思えなかったのか
今になってもこたえが見つからない



シャッター音がして
景色が切り替わる
信号が青にかわっても
相変わらず 車は足踏みをしていて
その靴音だけが
わずかな湿気をふくんで
空からすこし低いところで
停滞している
わたしの質感だけが、徐々に
うす青い景色に吸収されて
帰ろうとしていた場所も、もう
記憶の外側へ



ターミナルは、今日も
磯くさいにおいにつつまれている
さびついたレールが音をたてると 
ゆっくりと
わたしを乗せない列車が
ホームに入ってくる
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