神話/大覚アキラ
「森」というには小さすぎて
「茂み」というには大きすぎる
だが「林」という感じでもない
そんな中途半端な場所が
Ｍ公園の奥のほうにあって
その中途半端な場所のさらに奥に行くと
「広場」というには狭すぎて
「空き地」というには広すぎて
だが単なる「空間」というわけでもない
そんな中途半端な場所があって
その中途半端な場所は
いわゆる行き止まりになっていて
その行き止まりには
「崖」というには低すぎて
「斜面」というには急すぎて
だが決して「壁」ではない
そんな中途半端な場所があって
その中途半端な行き止まりには
「洞窟」というには貧弱すぎて
「窪み」
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