「黄砂」/do_pi_can
び,ここより
吹かれ,飛ばされ,
海にでも落ちるか
魚に飲み込まれ,
いくつかの体内を経た後
海底を漂うこととなり,
しばしの軟らかい堆積の後,
干上がりしそこより,
再び吹かれ出でるか
そして,
我らの中に埋もれつつある
文明と名づけられ,自ら滅びし
つかの間の夢の痕跡を見ることになるか
そして,それら形骸も
崩れ,元の我らと同じ姿に戻るのだ
さよう,
我が吹かれ降りし,ここ,
フロントガラスなるものも,
我を流し去ろうとするウオッシャーなるものも,
フロントガラスの中で,顔をしかめし
男というものも,
我らの変転の一部に過ぎぬ
いずれは,大気に持ち上げられ,
あるいは,流され,
我に会うのだ
その時には,
この者達も,我らと同じ
記憶することを知らぬ
移動するか,堆積するか
変化し,変転し,
漂い
吹き上げられ
吹き飛ばされ
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