クリスマスオーナメント/篠有里
 
入る
三十ワットに満たない灯りの
小さな場所
すかさずクリスマスオーナメント
体言止め
倒置法
これから
ところどころ
つかみようのない夜がやってくる

記憶の穴を埋め
彼らの背後に忍び寄り
あとをつけ
わたしのクリスマスオーナメント

奪い返そうと
『バールのようなもの』という
どこにでもある
ありふれた狂気で
何度も殴りつけた
それと
わたしを嗤った礼もしておこう
わたし自身に

思い浮かぶ提案のうち最も優先される
高い所
突き落とす
冷たい金属で
できた
階段から墜ちていく
彼女を見た
子猫ちゃん
鋼板に叩きつけられる
まる
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