雨の群れ/緑茶塵
じょーらんじょーらん
雨の音
屋根に雨の音が、たたき付けるのです
滝のような雨に
兄は花屋をしております 私はむかいで服屋をしております
兄の育てる花は、綺麗に咲きます 雨にぬれるといけないので
店の軒先にまでビニールの屋根伸ばして
じょーらんじょーらん
行き交う人々、皆早足でアスファルトの道路を走り抜けます
花を軒先に詰めて並べる兄が、傘も刺さずに服をぬらす兄が
私は滑稽でなりません
そんなにまで花屋をしなくても良いのにと、どうしても思ってしまうのです
ひどい家族とは思いますが、服屋のガラス越しの兄は、どうしてこうも滑稽なのでしょう
先日も仕
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