案山子の魂/
麒麟
夢を見ていた
都合の良い夢を
倒れた案山子
そこが滅びた都市の枯畑であろうと
雪積もる冬の崖の上でも
倒れぬ案山子
秋の稲穂は脱穀を終わり
副産物の藁で人型を編みこむ農夫
作られる案山子
緑一色のテトリスの中央
人とカラスの騙しあい
挿される案山子
夢を見ていたい
真実だけの夢を
鳥が怯えぬ案山子
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