火の骨/シャーロット
写真の顔が赤く焼け焦げた頃
天然水が飲めなくて心が濾過していた
早熟な豚は獣道に魅入られたまま引き返せなくなっている
ブースリー ブースリー 美しい声、マグネットに吸い寄せられ
弾けるようにあばら骨の形をしたなみだをだした
恐れた草は細い指のような
錯覚と平衡が入り混じった世界に落とされた指輪
太陽の中にみじかい雨が降る
傘をさした青年が心で突っ立っている
あれはその形をした火の骨
真っ黒い壁の単純な染みのような
手がふれると、冷たくて、柔らかくて
大きな手が見え、消えると、青年も消えた
空には牛がたれているよ
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