小さな恋の話し/海月
 
君との思い出が僕を刺し
喜びは憂いに変わり始める
それでも思い出を大切にしている

一夜一夜に大切な日が近づいて
君との別れも目と鼻の先
手を伸ばせばその日に触れる
足を急がせばその日に変わる

今と言う一瞬の時を君と過ごし
過去と言う軌跡へと変わる筈
未来と言う道程はまだ知らない

軌跡を止めるため
時間の流れに逆らう
歩みを止めてみても
君は僕を引き連れて
時間の流れに乗る

描く未来の可能性に二人は映らず
双方の未来が二枚の絵となり
この部屋に展示してある

そう説明してあるこの絵に僕はいつかの記憶が目覚め
何処か自分に似ているその苛立つ姿を盗み
その絵に火をつけて僕は燃え
二度と人目のつかない存在になった

簡単なことで僕が僕を殺した
ただ、それだけなんだ
世間で言う自殺
理由は君がいないため
それだけで僕は満足

この部屋の絵には続きが合って
結局二人は同じ道を歩みます

小さな恋の話はこれで終わり

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