この場所に part2/do_pi_can
 
思った
あの日,
でも,狂えなかった
狂いたかった
狂えれば,どんなに楽だったろう
今は,死ぬ事すらできないでいる


あの日,鉄骨が,頭の上に落ちてきた,火の粉と一緒に


あの日以来,
僕は,あなたを抱きしめられない
あなたを抱きしめる手が無い
あなたの髪を愛撫する唇がない
あなたの名を呼ぶ舌が無い


父と子は,会えたのでしょうか
それだけが気がかりです
空から,沢山の鉄の塊が
落ちてくる中で,
別々になったままだったら,
二人が,あまりに不憫で


あたしは,狂った振りをしている
狂った振りをして,怒りをぶちまけている
怒りをぶちまけ
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