ロベルトは蜜柑のように。/
仲本いすら
わたしの肌は
蜜柑のかおりが
少ないせいか
かさかさに
なってしまって
こんなんじゃ
新しい恋なんて
できやしないわ
燃えるような
熱い恋だなんて
わたしは
そう、言った
あなたは
木の葉ってさ
乾燥してれば
してるほどに
よく、燃えるから
潤いだけが
大事じゃないさ
若さだけが
大事じゃないさ
そう言って
蜜柑の皮を
剥いて
指先を
黄色く染めた
つんと、柑橘の
世界に落ちた。
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