春手紙/
夕凪ここあ
の季節ではありますが
私はあまり好みではありません
何故なら散り行くその姿が
どうしようもなく
悲しいのでございます
あなた様のぬくもりが
遠くへ飛んで行ってしまいそうに
私は寂しいのでございます
ですから私は
ブーツのかかとに絡まった春のように
心に感じるものが好みなのでございます
それはとても
確かなものなのでございます
あなた様と私とを繋ぐ
春の日和は目には見えなくとも
あなた様と私の中で
小さな芽を出していることで
ございましょう
戻る
編
削
Point
(1)