きんぎょ/たりぽん(大理 奔)
 
朱(あか)くて小さなさかなの
息のように
そっと触れた
てのひらから
あなたを呼吸する

  ほんの少し
  の温もりが意識を
  わたしに繋ぎ止め
  る、わたしの体温
 
だから
私がおぼれてしまわない分だけ
あなたに
触れさせてください

  ほんの少し
  の星灯りがからだを
  わたしにつなぎ止め
  る、わたしのからだ
  
哀しい自由だけど
泳ぎ切って
みせる
朱(あか)くて小さな
さかなみたいに

だから




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