さようならを言わなければならない可笑しさ/むらさき
 
きみが書いたその恐ろしく長い文章を読んで
僕たちがいつも会話を中断して
さようならを言わなければならない
可笑しさについて考えた

もしかしたら僕たちは
一人ぼっちかもしれない

それぞれの茶碗だけを抱えて

沈黙に浮き上がる

僕の息は

僕にしか聞こえない

僕のなだらかな脳の表面に
もう一人の僕ががぼんやりと
立ちつくしている

何を待っているの

いつまでも
それがやってこなかったら
僕は苗字と名前を捨てて

ただの肉体になろうと思う

僕は僕を捨てて
でくの棒になろうと思う

そして
音楽と音楽の間に
隠れてしまおうと思う

いつになったら
僕たちの受け身は
僕たちに幸せを
教えてくれるのだろう

受話器を捨てに行こうか



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