明日につないでいく/ブルース瀬戸内
 
私は、ふいに立ち止まって

不敵に構える明日を早送りしようとしたり

吸着する昨日にエフェクトをかけようとしたり

見えないものに頑としてしがみついたり

鮮明に見えるものを素っ気なく扱ったりします。


あなたはそれでも優しい顔で

不器用な私をともかくも食卓へ誘ったり

迷惑ばかりかける私の身体を心配してくれたりして

本当に

一度や二度の涙では感謝を言い尽くせません。


だから私は

世界が疑いもなくそこにあるのだと

あなたが疑いもなくそこにいるのだと

数多の哲学書を放り投げて

信じるに至っています。


私はあなたの作ったオムライスを食べながら

そう信じるに至っています。

その時あなたは

私がケチャップを服に飛ばさないか

その行方を見守っています。


そうしたことが

そうした他愛もないことが

昨日を今日に、今日を明日に

揺るぐことなく、つないでいきます。

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