夜更けの行為が繋がる場所/夕凪ここあ
ました
が、心を言葉に変える方法を
私は知りませんでした。
だから私は
書いては消し、
書いては消します
詩に繋がらない言葉を。
相変わらずに
死んだ消しかすたちが
私の方を睨みつけますが
よく見れば
それは私の漏らした
心ではありませんか。
そんな姿になってまで
私の体に残るのは、
言葉でも、形でもなく、
想いだけの存在だからだと、
ようやく知りました。
丁度良いことに
部屋の隅に
ピアノが転がっていましたが
だいぶ古ぼけてはいたし、
傷がたくさんついていた、
というのは関係なしに、
音を弾こうにも
私の指は汚れていたし、
何より迷いばかりが邪魔をしていたのです。
ピアノは感情を
映し出すというのに
私はいつまでも
詩に出来ない言葉たちを、
時間に溶け出してしまう
言葉たちを
生み出しては消し、
消しては生み出していきます。
そして、それは
いつかの夜更けの行為に
とてもよく似ているのです。
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