ルート232/
安部行人
明け方 鉛色 海と空 境界もなく――流れる
震動 路面を噛む 風が切れる 海沿いの道
直線の彼方に消える道
白い塔
プロペラ――回る――誰もいない丘の上
枯草 ホワイトノイズ 緩い下り坂 雨の予感
ルート232 午前5時 濡れた空気 海鳥の群れ
海にそむく東への道
錆びた標識
ちぎれた旗――絡みつく――折れたガードレール
通り過ぎる――いま アンテナ 音楽を見つけた
通り過ぎる――電波のざわめき いま――
道の彼方へ
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