[ 天使と僕(ゆめくい)]/渕崎。
無邪気な夢で、
彼らはそれらを糧に彼らの子供を生み出して、
お礼に少しばかりの幸福を無邪気な夢の主にそっと返すらしい。
悪夢を食べるのは彼らの仕事で、
普通の夢を食べるのは彼らの食事だそうだ。
だから、人間は起きた時に見たはずの夢のほとんどを忘れてしまうのだという。
無邪気な子供の、
幸福の夢のお礼には、
ささやかな幸福を返します
バクは律儀で純粋な生き物だから、
幸福は夢の主とバクと彼の子供の全員に、
平等に与え与えられるのです。
『だから、バクは夢を食べるのですよ』
僕は、夢現で子守唄にも似た天使の声を聞いていた。
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