空になりたい/夕凪ここあ
私はその日かごの中にいました
かごの中には私だけしか
ありませんでした
次の日も
私はかごの中にいました
次の日も、その次も
あまりにも
そのようなことが続くので
私は悲しくなりました
残酷なことに
目の前には空が広がっていました
幾ら手を伸ばしたところで
空しく空気を切るばかりです
私は
それでも夕焼けの時間が
一番好きでした
優しいあたたかさが体を包んで
安心できるのです
(かごの中はそれはそれは寒い場所でしたから)
どのくらいの日々が過ぎたのでしょうか
最近の私は
眠っている時間が多くなりました
空を眺めることも
少なくなって
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