スキー場/
小太郎
右側にある林も見ずに
左側にある崖のような谷にも近よらず
真上の空もたまにしか気にせず
ただ揺れながら真ん中らへんを行くのは
もったいない
右側にある針の壁も
左側にある炎の壁にもぶつからず
ちょうどよく暮らしていくのはもったいない
端っこをしっかり自分の目で見ておかないと
南極で吹く-60℃のブリザードに
巣も作らずただ立ち尽くして耐えるエンペラーペンギンと
出会ったとしても
真剣に話ができない人間になってしまう
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