[ 過ぎ去りし日の唄 ]/渕崎。
 
懐かしきは
クロゼットの奥に仕舞われて
ナフタレンの臭いを染み付かせた
紺色のセーラー服

二十歳になる
つまらないワタシは
白いハイソックスはもう履かない
紅いスカーフも結びはしない

紺色のセーラー服を身に纏い
自転車で朝の空気を吸い込んでいた頃
ワタシは何を思ってたろうか
ただ、きっとその日の授業に一喜一憂してたろう



懐かしきは
クロゼットの奥に仕舞われて
ナフタレンの臭いを染み付かせた
紺色のセーラー服

二十歳になった
つまらないワタシはには
白いハイソックスはもう似合わない
紅いスカーフも似合わない

紺色のセーラー服を身に纏い
くたびれた身体を引きずって家路につく頃
ワタシは何を思っていたろうか
ただ、きっとその日の夕食を待ち望んでいただろう



二十歳になったつまらないワタシは
もう、あの頃へは戻れない
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