潤いを知ったならば渇きを知れ/436
 
意味もなく涙が溢れ 溢れ 溢れ

濡れた頬を乾かす風は吹かず

憧れた自分が離れ 遠く 遠く

疲れた頭で碌なことも思わず

枯れた心は実も枯れ カラ カラ

萎れた性器を死んだ魚に例えて

渇いた海を想い 溺れ 溺れ

そうして雨を待って死んだ蛙の話をする


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